yhinatanの日記

子どもの添い寝中に書いてます。

パンがうますぎて筆をとった

なんとなく日々書きつける習慣ができたのは高校3年生のとき。

 

近所に有名なパン屋があって、初めて一人で行った。 

小さなお店で、お客は3人くらいしか入れない。

パンはケーキ屋みたいにショーケースに並んでおり、店員さんに言って取ってもらうスタイルだった。

 

まだバイトもしていなかったし、親からもらったお小遣いでほそぼそとやりくりしていた身なので、そんなに高いパンは買えない。

そのお店はわたしにとっては高級だったのだが、テストか何かを頑張ったご褒美にと、奮発したのだった。

 

お店に入った瞬間、バターのいい匂いが立ち込める。

ハード系のオシャレなパンが並び、かなり迷ったが

後ろにお客さんもいるからそう迷ってもいられない。

目についた、フランスパンにチョコレートがゴロゴロと入ったパンを頼んだ。

 

果たしてそのパンが、びっくりするくらい美味しかったのだ。

 

自分の過去も未来も全肯定されたかのような、

この先も素晴らしく明るい未来が続いていると確信させてくれるような気分になった。

 

ちょっと自分でも何を言っているのかわからない。

 

でも、そのくらい美味しくて、

ああ、このパンを買ってよかった

ああ、奮発してパン屋に行ってよかった

ああ、テスト頑張ってよかった

ああ、すべてのわたし、まわりのみんな、

ありがとう、ありがとう

 

と感謝の念が溢れてくるくらいには感動した。

 

それで、この気持ちはぜひ書き留めておかねばなるまいと

公園でパンを食べ終わった私は、そのまま100円均一に寄り、手のひらサイズのメモ帳を買った。

 

その日から、毎日ではなく本当に思いついたときだけだが

なんとなーく心が動いたときに書きつける習慣ができた。

 

今思えばもっと真剣に書いていたら就活の自己分析にも役立ったのでは…

「パンうますぎた」

「本おもしろかった」

とかまじで小学生みたいなことしか書いてなかったのが悔やまれる。