大学生のとき、友人にスラムダンクの漫画を借りた。
えー、わたしスポ根苦手だしいいよ、なんか絵も昔っぽいし
なんて言ったら
バッッカお前はっ倒すぞ!!!
と脅され、なかば強制的に読まされた。
そんで見事にハマった。
先述の言葉を放った自分、はっ倒されて然るべき。
で、読みながら痛烈に思った。
「わたしも努力したい…!」
その頃は9時とか、それよりもっと遅くに起きて、のんびり授業に行ってバイトして
バイトがなければ部室に行って、そのまま遊びに行ったりの日々。
めちゃくちゃ自堕落というわけではなかったけど、必死に何かに取り組むこととは無縁の生活だった。
花道がバスケの楽しさを知ってシュート練習を始めたり
ゴリが厳しい局面でも自分と同じ方向を向いてくれる仲間に涙したり
自分がやりたいと思ったことに対して、ひたむきに努力を重ねる姿にすっかり感動してしまった。
そしてわたしはなぜか
「一生懸命努力して、腹筋を割ろう」
と決意したのだった。
目に見える成果がほしいと思った。
腹筋なら日々の成果が如実に表れると。
資格をとるとか他にもたくさんあったろうに…まったく自分は…
それからは毎日腹筋トレーニング。
色々レパートリーを増やし、腹斜筋や腹直筋を効率よく鍛えることを意識した。
毎日鏡で腹筋を眺め、だんだん締まってくることにやりがいを感じた。
その結果、朝イチ且つお腹を引っ込めた状態だったら、6つに割ることに成功した。
これは嬉しかった。
努力の結晶が形となってあらわれた。
でもさすがに、他の部位も綺麗に鍛えているならまだしも腹筋だけがバキバキなのは見た目が悪かったので、少しトレーニング量を減らして
常に縦線が3本入るくらいに調整した。
この状態を5年くらい続けたろうか。
腹筋する生活が当たり前になっていたので
「なんか何もしてなくてもいつも腹筋割れてるな」と思っていた。
よく世間で、美人が
「美容ケア?なんにもしてないよ〜」て言うアレは
我々からしたらすごいお手入れしてるけど、本人にとってはそれが当たり前だから
なんにもしてない、ってことなんだよね。
腹筋を通じて美人の気持ちがわかった。
さて、さすがに妊娠を機に割れた腹筋はあとかたもなく消え去りましたが
そろそろ再会したいなと思う。
またトレーニング後に鏡でニヤニヤしたい。
努力はやっぱり楽しいのだ。