明らかに自分の言動が原因で、友人を一人失った経験がある。
高校のときに仲良くなった彼女は、背が高くスラッとしていた。
制服のスカートからは羨ましいくらい細くて長い脚が伸びていて、
わたしはいいないいなと言っていたのだけれど
本人は長身がコンプレックスのようだった。
コンプレックスのせいか、自分にひどく自信がなかった。
わたしだって自分に自信なんかないけれど、それ以上になかった。
社会人になり、久しぶりに再会したときも
恋愛したことがないことを気にしていて
「私は一生ひとりなのかもしれない…」とドヨンとしていた。
なんだかそのとき、彼女はわりと強めな負のオーラを纏っていた。
そんな彼女を元気づけようと思って、
「もっと合コンとか行ってみたら?」
「化粧明るくするとかさ!」
「朝活すると気分明るくなるよ!」
などなど、直球ストレートというか…
至極ド正論…まったくおもしろみのない…
つまらねえアドバイスにもならない…
クソバイスをあれこれと言ってしまった。
その日は、そうだねうんうんと聞いてくれて、いつもどおり解散した。
見切りつけられたのかも…と気づいたのは
遊びのお誘いを2回断られてからだった。
彼女は当時、フリーターだった。
わたしは新卒で正社員。
そのことも本人は気にしていた。
あのときは、そんなに思い詰めないで大丈夫だよと思いながら、本心であれしたらいいこれしたらいいと言っていたつもりだけど、
ほんのすこし、ほんのすこしだけ、心の片隅で、
彼女よりも優位だと思ったことを否定できない。
わたしは彼女の言葉を真に受けて、少し優越感を感じてしまっていた。
その気持ちが、透けて見えてしまったのだろうかと。
ああ、わたしの大馬鹿野郎。大切な友人を失った。
思い出すたびに自分が恥ずかしく、頭をかきむしりたくなる。
わたしは何様のつもりだったのだろう。
ものすごく後悔している。