友人ふたりと文通している。
それぞれ一年半くらいか。
一人は他の人と長らく続けてきたらしく、まさに文通のプロ。
文面からは彼女の声が聞こえてくるような情緒溢れる文章が並んでいる。
クリスマスのときなんかは25日に届くようわざわざ速達で届けてくれた。
サンタさんのレターセットで。
なんて粋なことを…
もう一人はわたしとの文通が初めてみたいで、毎回ものすごく気合いを入れて書いてくれる。
最後に「ご自愛ください」とご丁寧に体調を気遣う言葉をくれる。
どちらも、届くととても嬉しい。
読むまでの時間もソワソワして楽しいから
あえて半日置いたりする。
すぐにお返事を書きたくなるけど
数ヶ月経ったほうがおもしろい出来事がありそうだから我慢する。
それに、忘れた頃に突然届くほうが
「ワァッ…!」て心が華やぐ。
LINEみたいに、すぐ返信がきて当たり前ではないから
いつ届くかなってソワソワするのも楽しい。
手紙の文章というのは、結構奥深いと思う。
自分だけの日記みたいにちぐはぐに書いたら通じないし
LINEみたいにレスポンスありきで話を展開することはできないし
こうしたちょっとよそゆきの文面だと他人行儀だし
うーんなかなか難しいと思いながら
近況報告を述べ連ねている。
文通といえば、森見登美彦の「恋文の技術」という小説がある。
これがめちゃくちゃおもしろい。
“私”が友人、妹、意中の相手などなどに出した手紙で構成され、話が進んでいくのだけど
手紙の内容だけでよくこんなに人を笑わせられるなあとびっくりする。
最後はちょっとグッとくるし。
あんな手紙を書いてみたいものよ。
文通がくれる時間が好きだ。
読むのも書くのも、ポストに出しに行くのも好きだ。
今はわたしのターンだけど、まだ温めておく。
この時間もまた良きかな。